【 呼称の変更　患者様から患者さんへ 】

　今日におきまして、現代社会はじめ病院や診療所では呼称を見直す動きが広まっております。
　そういった社会の風潮や変化に伴い、参考資料をもとに、医療法人たに在宅クリニックでは、
　呼称の統一に取り組んでおります。具体的には以下の内容でございます。

　・これまで『患者様』『ご家族様』と記載・お呼びしていたのを改め、
　　『患者さん』『ご家族』とお呼びいたします。
　・今後は、施設内掲示物、ホームページ、広報誌、パンフレット、
　　一般向け文書等は上記の通り統一し、表記していくよう随時更新して参ります。
　・医事文書や各種申請書、郵便物の宛名、個人へのメール等は、
　　今日における一般社会常識に照らし合わせ、『様』と記載いたします。
 

参考資料

①    　医療現場における「○○様」という呼び方は、「国立病院・療養所における医療サービスの質の向上に関する指針」の中の「患者との接偶態度や言葉使いの改善」の項目で、『患者の呼称の際、原則として姓名に「さま」を付することが望ましい』という通達があり、全国的に広まった。

（平成13年 厚生労働省）

②    　「患者」という名称は「患った者」という意味であるため、この言葉に尊敬語である「様」をつけるのは日本語として問題がある。

（平成18年 京都大学病院）

③    　患者へのアンケート調査によると、「患者さん」で十分という意見が７割に上る。

（平成19年 西日本新聞）

④    　アンケートの結果、職員・患者とも「さん」の方が身近で親しみを感じる、という意見が多かった。

（平成19年 朝日新聞）

⑤    　医師を対象にしたアンケート調査では、約７割の医師が「患者様」という呼び方に違和感があると回答した。

（平成24年 日経メディカル）

⑥    　患者と医療者の関係を「パートナーシップ」と位置付けている。

（2002 年 日本医療機能評価機構）

⑦    　最近のおかしな日本語として“様呼称”を取り上げている。（以下、一部抜粋）「『患者』という言葉自体がすでに悪い印象を与えるため、いくら『さま』をつけてもらってもうれしくない、『病人さま』『怪我人さま』『老人さま』など、いくら頑張っても敬うことにならないのである」。このような背景を受けてか、医療者，医療機関から「パートナーシップ」や「対等」という言葉が聞かれ始め、呼称の問題に関しても「“対等だから”患者の呼称は“さん”でよい」と考えられるようになった。

（金田一春彦 著2002年『いい日本語を忘れていませんか：使い方と、その語源』）

　今後も、時代の変化や考え方に応じて柔軟に対応して参ります。
　以上、ご理解ご協力の程宜しくお願い申し上げます。